熱帯魚がすき
思えば私が熱帯魚にこんなに執着するのは必然だったのかもしれない。
子供のときに住んできた家には玄関を上がったところに水槽があってグッピーたちが泳いでいた。
いつグッピーたちがうちに来たのかは記憶にない。
小学校6年生になるときに引っ越すことになって、それまで水槽の掃除が家事の負担だった母の主張で誰かに譲ってしまった。
私は特にグッピーたちの世話をするわけでもなく、特にグッピーが好きというわけでもなかったけれど、ときどき餌をやったり、友達が家に来たときはトントンと水槽をたたいて集まってくるグッピーたちを見せてちょっと得意になっていた。
グッピーがいなくなっても別に何とも思うことはなく、グッピーを飼っていたということさえ忘れかけていた最近になって、たまたま尋ねた友人の家でテトラに会った。テトラというのはグッピーによく似た熱帯魚で、趣味が熱帯魚だという友人の世話のもと、悠々と広い水槽の中を泳いでいた。
それからだ。私が熱帯魚に執着するかのように彼らを愛し始めたのは。水槽を購入して、水草を何種類もそろえ、熱帯魚によいと言われる砂をしき、熱帯魚ショップに行って魅かれる熱帯魚たちをそこへ放った。
ゆらゆらと揺れる緑の水草の間をキラキラしながら優雅に泳ぐ姿を眺める時間はいまや私の生活にはなくてはならない大切な時間だ。
子供の時の思い出をぽつりぽつりと思い出す。